第4回 研究集会のご案内

日本部活動学会 第 4 回研究集会プログラム

 

主催:日本部活動学会

後援:大阪体育大学

 

◯開催趣旨:

 

学校の働き方改革に伴い、この頃、自治体や中学校・高等学校では部活動の運営・管理・指導の全部または一部を民間企業にアウトソーシングする事例、あるいは外部指導者等に技術指導を委託する事例が増えてきました。

 この状況において、以下の⑴・⑵などに類似した事例が散見されます。

⑴学生ボランティアの立場で、県立高等学校ブラスバンド部の指導を行った事例。当初は、「しっかり指導してくれ」と依頼され、県大会ベスト8を目指して毎週のトレーニング計画を立て指導した。しかし、部員はのんびり、顧問にも「面倒をみてくれたらそれでいいよ」と言われ、学生は困惑した。

⑵市立中学校サッカー部顧問からの相談。「放課後や休日のサッカー部の指導を外部指導者に依頼して練習や公式試合の審判、指導を行ってもらった。ところがある日、新チームのキャプテンや方針をその指導者が勝手に決めて活動していたため、校長と相談して次年度からお断りした」という事例。

 

 これらのエピソードは、部活動指導を外部指導者等に委託した場合の結果的に生じたミスマッチと言えるでしょう。

 昨年9月1日、萩生田光一文部科学大臣から、3年後以降段階的に休日の部活動を地域移行するという発言がニュースとなったことは記憶に新しいところです。

 その具体的な方策は、文部科学省の9月1日付け事務連絡文書「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について」の「休日の部活動の段階的な地域移行(学校部活動から地域部活動への転換)」という項目で、「休日の部活動における生徒の指導や大会の引率については、学校の職務として教師が担うのではなく地域の活動として地域人材が担うこととし、地域部活動を推進するための実践研究を実施する」としました。その成果を基に、「令和5年度以降、休日の部活動の段階的な地域移行を図るとともに、休日の部活動の指導を望まない教師が休日の部活動に従事しないこととする」と、スケジュールを示しました。同文書は続けて、「部活動は、多様な生徒が活躍できる場であり」、「教科学習とは異なる集団での活動を通じた人間形成の機会でもある」として部活動改革が推し進められています。

 この改革の最中にあって、部活動を地域の人材が担うことにより生じる学校教育との認識のズレという新たなマッチングの課題も生成されることが予想されます。サステイナブルな運営体制を整え推進していくために、マッチングの課題はどうしても避けて通れない難題でしょう。

 

 それゆえ、第4回研究集会のテーマを「いま、求められる『部活動』のサポートとは? ―持続可能なマッチングを探る―」と設え、相互いに意見を交えながら学校と地域の協働・融合の行方を探ります。

 まず、【基調報告】として、持続可能な部活動の在り方を研究される本学会前会長の長沼豊氏(学習院大学教授)に、「今、学校と地域の連携で何が問われているのか?」と題して講話をお願いしました。

 次に、【シンポジウム】を民間企業・運動部活動・文化部活動の立場から実践報告を行います。

①民間企業➠ ソフトテニス・オンラインスクールの運営にみるマッチングの工夫について、中村鉄太郎氏(株式会社GO代表取締役社長)より20分間の実践報告。

②運動部➠ 運動部活動改革プランの一つとして学生を指導者に養成するシステムを構築したが、その後の運用状況やマッチングを考慮した大阪府泉大津市教育委員会との取組みについて、小林博隆氏(大阪

体育大学准教授)や比嘉靖氏(同大学准教授)らによる20分間の実践報告。

③文化部➠ 大阪国際滝井中・高等学校の吹奏楽部における活動課題について、朝倉洋氏(大阪国際学園芸術文化教育センター長)から20分間の実践報告。

 その後、①、②、③間の意見交換を経て、新大阪に集まった会員や教育関係者等による質疑応答を含む話し合いを50分間ほど計画しています。基調報告や実践報告を材料に展開される参加者による複眼的なディスカッションの濃さが、今回の研究集会の真骨頂だろうと私は考えています。

 大阪での開催は、2019(平成31)年3月の大阪大学で開かれた第2回大会以来となります。当日は多くの自治体や学校関係者、実践家、研究者、メディア関係者の皆様のご参加をお待ちいたします。

 

 

 

◯日時:2021年12月18日(土) 13:00~17:00 (受付開始:12:20~)/情報交換会17:10~19:10

 

 

 

◯会場:大阪ガーデンパレス(大阪市淀川区西宮原 1-3-35)   2階「楓松」

「新大阪」駅北側の新御堂筋高架下、シャトルバス乗り場からホテルまで所要時間約 3 分、乗車定員 30 名のバスが 15 分間隔に発車。

 

◯テーマ:いま、求められる「部活動」のサポートとは?―持続可能なマッチングを探る―

 

◯内容:

・13:00~17:00 研究集会

総合司会(由井一成)

 

 

【開会行事】(13:00~13:10)

 

⑴開会の挨拶(会長 神谷 拓)

⑵趣旨説明(実行委員長 中尾豊喜)

 

【基調報告】(13:10~13:50)

 

「今、学校と地域の連携で何が問われているのか?」 (長沼 豊)

 

※休憩(10 分)

 

【シンポジウム】(14:00~16:50)

コーディネータ(神谷 拓)

 

⑴株式会社 GO のソフトテニス・オンラインスクール(中村鉄太郎)

⑵大阪体育大学の運動部活動指導者養成システム(小林博隆、比嘉 靖ほか)

⑶大阪国際滝井中学校高等学校の吹奏楽部活動における課題(朝倉 洋)

 

※休憩(10 分)

 

⑷相互意見交換

⑸フロアーより

 

【閉会行事】(16:50~17:00)

 

閉会の挨拶(副会長 望月浩一郎)

 

・17:10~19:10 情報交換会(会場:ホテル内) 会費 4,000 円

 

◯参加費:会員(一般)¥1,000-/会員(学生)無料/非会員(一般)¥2,500-/非会員(学生)¥500-

 

 

◯参加申込:以下のイベント申込サイト「こくちーず」からご登録ください。

 

  ➖盛会のうちに終了いたしました。➖

 

以 上